なぜ新垣あやせは幕張なんかで待ち合わせをするのか

なんとなく俺妹あやせif読んで黒猫if待ちのあいだに、千葉市を通りがかるついでがあったので、聖地巡礼でもしてみようかと思い立ったわけです。なんか知らんけど千葉公園がすごく有名。

千葉公園から一駅、千葉都市モノレール千葉駅で、アニメツーリズム協会聖地88か所認定記念のクリアフォルダを売っています。内容的に2019年に出た新グッズです。

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俺妹聖地巡礼マップ(千葉駅で売ってるクリアフォルダ)

で、聖地は千葉駅周辺と幕張であることがわかります。

日常シーンは基本的に千葉駅~千葉公園駅あたりにまとまっているわけです。現地を歩いてみればわかりますが、京介と麻奈美が学校帰りに歩く向きなども、なんか舞台モデルっぽい学校から、ちゃんとリアルな設定を考えていることがわかります。

謎は幕張です。黒猫と行った花火は、わざわざ出かけて行ってもおかしくはありません。でも、新垣あやせが何度となく京介と会う公園は、幕張船溜跡公園がモデルなんですね。なんでこんな離れたところを舞台に選んだのでしょうか。

原作2巻では、あやせと京介が会うのは、京介と麻奈美が子供のころに遊んだ公園で、近所ということになるのですが、俺妹はアニメ化でずいぶんと設定が変わっているので(たとえば黒猫は原作では松戸ブラックキャットと自称していて、最初から松戸に住んでいるようである)あまり参考になりませんけど、それにしてもなぜこんな遠くに。

最初、あやせが幕張に住んでいるのかと思ったのですが、あやせは桐乃と同じ中学校のはずです。幕張は千葉駅から直線距離で8kmくらいあります。区も違うし、 中学区が同じとは思えません。それに、あやせの家は戸建てが並ぶ住宅街ですが、このへんはそういう所ではありません。

この謎を解くため、取材班は幕張に向かいましたよ。

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幕張船溜跡公園(2020年6月撮影)

船の形の木製遊具と緑の屋根の四角いベンチは放送当時のままですが、間にあったヤギさんはアニメ通りのウサギではなく、なぜかイルカに変わっていました船溜跡という名前からわかるように、この公園がかつての海岸線で、昭和48年に埋め立てのため失われた漁港の記念碑が建っています。船の形の木製遊具もそうなんでしょう、ちょっと古びていて先行き心配ですが、建替えるなら、アニメ聖地だけでなくこの歴史のためにも同じ形にしてくれるといいですね

さて、あたりを見回しても何もわからなかったのですが、しばらく経った今日、はっと気づいたのです。このちょっと南側、川を隔てているので直接見えにくいのですが、中高一貫校があるじゃないですか。それもかなりの進学校です(名前を出すのは控えます)。桐乃とあやせは私立のいい学校に行っていたのです。だから家から遠いのです。そしたらあやせの家もこの辺の景観じゃなくて辻褄が合います。(アニメ一期にそういう話あったっけ?)

いまさら言うのも白々しいですが、僕は中高生の頃わりと近くに住んでいたので、すぐに気が付いてもよかったくらいの話です。

ここまでわかると、京介が桐乃を「高嶺の花」と呼んでいて、当初ずいぶんと遠慮がちだったのも、ずいぶんずっしりと重みをもって感じられます。ハルヒでたとえると光陽園学院と北高みたいなもんです。住む世界が違う学校にお行きなさった妹が当初コケにするわけです。そりゃあめげるよ兄ちゃんな。