豊橋市地下資源館・とよはしプラネタリウム

JR東海マケインコラボのついでに、一度行ってみたいと思っていたプラネタリウムに。

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スケジュールはウェブサイト( https://www.toyohaku.gr.jp/chika/plane.html )にあるので見ておいた方が良い。休日は上映数が多いが、平日は15時だけだったりする。

スタンプラリーなので、のんほいパークから徒歩で行ってみた。普段は車なので持てていない土地勘が養われる。そもそものんほいパークは二川駅から南に500mにすぎない。でもって二川駅の北側すぐの道が旧東海道東海道五十三次のひとつ二川宿は駅の東側ちょっと行ったところなんだけれど、地下資源館・プラネタリウムは西側だから二川宿はまたの機会に。

旧東海道二川駅付近の梅田川沿いの20m程度の低地から、なぜか急に右にカーブして坂を登り始める。左側の山、大げさに言えば南アルプス赤石山脈の尽きるところと、岩屋観音の山の間の40m程度の小さな峠を越えていく。ちょうど中学校が終わる時間でセーラー服の女子中学生が自転車で坂を登っていたがきつそうである。べつに坂を登らなくても市街地にいけるのだが、岩屋観音に「左 豊はし」という道標があるのでもわかる。まあもっとも、隣宿の潮見坂だって登らなくて良い坂である。津波でも恐れたのだろうか。

さて地下資源館・プラネタリウムの入口の展示は大筋相変わらず。内容的にはよくできているんだけれど、昭和の昔に企業寄付でできたっぽいものがそのまんま時を重ねている。なんだかグルーミーな雰囲気は「負けヒロインが多すぎる!」にも出てきますよね。アニメにもなるかな。ぽつりぽつりと新しいポスターがパッチ的に貼られているのも多分頑張ってるんだろうな。

一緒に回って初めて気づいたんだけれど、地下資源館では鉱石サンプルがあって、のんほいパークの自然史博物館には常設の地質展示がほとんどないっていう棲み分けがある。

実はこの地下資源館・プラネタリウム、50周年らしいんだけれど、建物老朽化で今後が検討されている。案の一つにのんほいパーク内に移設というのがあって、地質を自然史とひとまとめに見てもらいたいとするとそりゃそうだよなとなる。プラネの場所があるかどうかは知らん。

プラネタリウムのプログラムは三本立て。(1)冬の星空解説、(2)プラネタリウムというものが世界で100周年という動画 https://planetarium100.org/ (3)ヒーリングアースというタイトルの地球の諸所の自然を写した動画。

冬の星空解説は、オリオン座、おおいぬ座こいぬ座、ふたご座、おうし座。まあオーソドックスですわな。

プラネタリウムの入口には、科学の諸原理を学ぶ展示がいろいろあって、マケインにも出てくるのだけれど、開館から平成のはじめ頃まで使われていた古い投影機が展示されている。もう使わないのに捨てないでいまの投影機と比較してみろというのがこの館らしい。

古い投影機は、2つの半球の星空を投影する2つの球状の投影機が地軸方向に回転し、日月惑星を投影する投影機が黄道麺を回転するようになっていて、要は天体の運動を投影機の機械的な運動で表現していた。星以外のもの、たとえば漫画的なキャラクターを出そうと思ったら、別の投影機を重ねる、というのが昭和のプラネタリウムだった。形状の類似で自然界を再現しようとするのは実に博物学的で、プラネタリウムが1923年にドイツ博物館で初めて作られたことを思い出す。博物館だから博物学だというだけでなく、1920年代というのは物理学が理学の頂点を博物学から奪い取る寸前の博物学最後の輝きの時代であって(牧野富太郎に理学博士号が与えられたのもこの頃だよね)、そういう時代に作られたシステムが100年経ってさすがに変容を余儀なくされているわけですわ。

新しい投影機は、ぶっちゃけそこいらのPCプロジェクタみたいなもんが四方八方に向けられていて、全天球を分担して投影するんだけれど、画像は電子的にいかようにも作ることができる。要するに星以外のものも映し出せる。

より一般的にはドームシアターとか360度映像というみたいね。

https://www.orihalcon.co.jp/technologies/documents/how_to_make_immersive_movies.html

人類一般の文明文化としては、もちろん新しい技術でアニメだろうがドラマだろうが自由に表現したらいいのだけれど、ここは豊橋市の視聴覚教育センターなので、なんでもいいわけではない。休日に公演回数が増えて「名探偵コナン」などの演目が増えるのだけれど、いちおう「アニメを通して星や宇宙について学びます」ということになっている。ここまで考えてはっとしたのだけれど、平日は15時の回しかないのは、中学生が通常授業を終えて来られる時間として選ばれているわけだ。さっき東海道で見たでしょうセーラー服。

というわけで幾分考えさせられたところで「ヒーリングアース」を見たのだけれど、これはなかなかよかった。普通には見ることのできない南天の星座、ハワイのすばる望遠鏡だったり、いろんなものを見せてくれたわけだけれど、ウユニ塩湖の眺めやオーロラが特に360度映像ならではの没入感があった。星だけじゃないプラネタリウム、なるほど意味はあるなと思い直したので、なかなかうまくできていた。

あーいかん、マケインと地下資源館の志喜屋さんの話をまだぜんぜん書いていない。