合掌

京アニ放火事件の物故者氏名が、遺族の同意のなかった方々まで発表され、一部報道ではお名前も出ています。こんなところで恐縮ですが、あらためてお悔やみ申し上げます。

名前を見て語ることは、しません。自分には評論するだけの見識がないと思うし、たとえ永遠に氏名が伏せられていたとしても、京アニですから、無名のスタッフなんて呼んじゃいけないくらいのアーティストでしょう。近年の作品のエンドロールと突き合わせればいろいろ言えるでしょうが、今したくありません。それに、素敵なものを作ってくれた人だからどうだということと別に、この犯罪は誰に対しても許されることではない、という文明の基本線を誰かが言う、その役回りかなとも思いました。

遺族の同意を得ない氏名公表について、タイムラインだけでなく、京アニの弁護士さんも反発しておられます。報道被害や野次馬被害が指摘されていました。それぞれ切実なものがあるだろうし、マスメディアによる説明は、特に現代的な野次馬被害の誘発について配慮したものは見ませんでしたが、ひとつだけ放っておいてはいけないと思ったのは、警察だけが情報を持つ慣例になると、報道が検証できなくなるという議論でした。報道じゃない人が言っていたけど。たとえ報道各社の説明がなっていない、欲得ずくと感じても、一時の憤激で判断するとあやうい気もします。

四十九日には足りませんが、一ヶ月あまり。献花台を片付けてもよさそうだという判断ができるくらいの時間の流れはあったのです。せめて、野次馬被害がありませんように。