劇場版ヴァイオレット・エヴァ―ガーデン(内容にふれます)

見てまいりました。流山や亀有でもよかったのですが、せっかくですから茅原さん石川さんの外伝舞台挨拶に行ったMOVIX柏の葉で。レイトショーはちょっとすいていました。

以下がっつりネタバレしようかとも思ったけどなんかどうでもいい発見メモになってしまった。

えー、これは、徹底的な完結編ですよね。まるで中二恋TOMのように、いやそれ以上に、続編なんかもうありえないくらい徹底して完結させるってのが、冒頭現代ぽいエピソードから入る構成からも漂ってきます。ちゃんと読んでないんですけど原作エヴァ―アフターとも違うアニオリ展開のようです。まあ劇的なほうがいいじゃないですか。

現代とヴァイオレット代筆屋の時代、そしてそれより過去の大陸戦争の話が行ったり来たりするのですが、デイジーなど現代のキャラだけ髪色が黒と白(博物館の老ガイドとエカルテ島の郵便局)で、アン・マグノリアの子孫の割には日本人ぽいので、なんだかそれも「近さ」を感じさせます。西洋人にどう見えるかは知らんけど。もういっちょライデンの電波塔が完成してるかどうかが時代の標識ね。ついでにエカルテ島の現代シーンでは交通標識がこれでもかというくらい立てられていてモータリゼーション後の時代だということを表現していて、これも「近さ」の演出なのでしょう。

で、デイジーの歴史探求をつうじて、ヴァイオレットは18で代筆屋をやめてライデンでは消息が知られていない、ということが最初に提示されるので、ヴァイオレットは歴史になったんだ、ハッピーエンドだか非業の最期(んなわけないか)だかわからないけれど、もうこれで外伝2みたいなのはないし、続くんだか続かないんだかわからないような終わり方もないぞ、と緊張感がたかまるわけですね。

話は戻るけどアンの話の次に、ユリスのエピソードがやってくる。これも軽妙に入りつつ、また死を悟った人の家族に遺す手紙という泣かせる話ですね。しかもいったん終わったかのように見せかけて、後でギルベルトといい感じですれ違い始めるときにまた動き出すんですわ。

で、ガルダリクの近くのエカルテ島にギルベルトらしいのがいるとなって社長とヴァイオレットが行くわけですね。ライデンは南国の風景で、ガルダリクは雪の降る北国です。エカルテ島はドーバーのような断崖で、ヴァイオレット一行が向かうとフランドル絵画のような暗雲がただよっています。まあでもギルベルト(ドイツ語)がエカルテ島(ラテン系ぽい名前)に行ったらジルベール(フランス語)と称しているって、これは変名というよりは普通に独仏翻訳ですよね。

あんまりこっちの地球の独仏の歴史に結び付けないほうが世界平和のためによろしいかと思うので対比はこのへんにしますが、しかし大陸の両端で言語が違って、戦後も子供たちにまで残る遺恨があるのであれば、これはライデン人がふらふらとエカルテ島を歩いているだけでたぶんバレちゃいます。社長はそれを心配したんですわね。

全然どうでもいいですが、灯台が郵便局をやるというのは一見奇妙ですけど、どっちかっていうと電報局なんですよね。ライデンからユリスの危篤からの一連の連絡はモールス電信でやっている。基本島外との連絡は電信で、おそらく灯台にしか発電機がなくてそこに電信機があるから電報局もやっているわけですね。その配達をしているから、たまーに紙の手紙が船便で出入りするのも引き受ける、という話なのでしょう。で、電信が使われなくなったか、島内に電気がいきわたったので郵便局は港の近くに移転したと。まあこれは地球の技術史で考えてもそうなるだろうって感じです。

でもってジルベール先生はせっかく来たヴァイオレットに素直に会ってくれないわけですね。戦争を思い出すとか冷たいことを言って追い返してしまう。でもってそこにユリスの話がでてきて、一度はヴァイオレットが急ぎ帰ろうとしたり、仕事を通じた立ち直り、で一度は話が転がるのかと思わせるので、まあうまいことしますわな。

あ、そうだ、そこでヴァイオレットが少佐を殴ってやりたいと初めて冗談をいうんだよね。長門有希もそうだけれど、冗談が言えるようになるってのは人間らしさのひとつ大きなステップ。

えーとあとはディートフリートようやく素直になれたとかなんかうまくかけないな。

 どうでもいいですけど甲板の高い船から海に飛び込むのはホイホイやることではないです。商船学校では訓練するみたいだけれど、ここはヴァイオレットの高い身体能力があるから死なないので、よい子は真似をしないでくださいです。

なんか眠くなってきて限界なのでこのへんで。